評価は優、良、可、不可で表します。例えば、HbA1c値が5.8%未満、空腹時の血糖が100mg/dl未満、食後2時間の血糖値120mg/dl未満のすべてを満たしていると優になりますし、HbA1c値が8.0%以上、空腹時の血糖140mg/dl以上、食後2時間の血糖値が200mg/dl以上のいずれかがあれば不可となります。治療はこの表の優および良のところを目標とします。特に女性の妊娠中(妊娠前から分娩までの間)では、妊娠中毒症や胎児の奇形の問題もありますので、空腹時血糖値100mg/dl未満、食後2時間血糖値120mg/dl未満の優を目標とします。日常の診療ではすべての検査を毎回するのは難しいので、HbA1c値を重視して行います(保険で認められているHbA1cの検査は月1回)。空腹時の血糖値は比較的安定しているので目安として有用ですが、食後2時間の血糖値は治療法や体調によって変動するために参考程度にします。糖尿病は以前に話ししましたように合併症が起こりやすいため、体重(前出のBMI値を参考)、血圧、コレステロール、中性脂肪などのコントロールも治療上重要ですので、糖ばかりでなくこれらも併せて検査します。具体的には、BMI=20〜24(BMI=体重(kg)÷(身長(m))2、25以上は肥満)、収縮期血圧130mmHg未満、拡張期血圧85mmHg未満、総コレステロール140〜200mg/dl、中性脂肪120mg/dl未満、HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)40mg/dl以上などを目標にします。
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