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院内ニュース
 
Vol.040(平成16年5月号)
連載
 
不整脈 第23回
   
  今回は不整脈の表、D.興奮伝導障害3.心室内伝導障害についてお話しします。

3. 心室内伝導障害

心室内伝導障害は、心房の洞結節から発生した刺激が、心房から房室結節に伝わり、前回お話しましたヒス束を通って心室内にある伝導路に伝わりますが、この心室内伝導に異常が出るために起こるものです。心室内の伝導路は右脚左脚があります。そして左脚は前枝後枝に別れます。これら脚のそれぞれに異常があってブロックとなるものを、a)右脚ブロックb)左脚ブロックc)左脚分枝ブロックと言います。左脚分枝ブロックは、左脚前枝ブロック左肢後枝ブロックがあります。そして、右脚ブロックと左脚分枝ブロックが合併すると、2枝ブロックと言いますし、右脚ブロックと左脚ブロックが合併すると、完全房室ブロックとなってきます。右に脚ブロックの模式図を示します。   【心室内伝導障害の模式図】
   
  a)右脚ブロック

右脚ブロックは、右脚の伝導障害があって異常が起こるもので、右心室の動きに遅れが生じます。そのために心室の動きが開始から終わるまでの時間が延長して心電図上QRSの幅が広くなります。この幅が0.10秒以上0.12秒未満のものを不完全右脚ブロック、0.12秒以上のものを完全右脚ブロックと言います。原因は、虚血性心疾患、高血圧性心疾患、肺の疾患、右心室に負担がある時などでみられることがありますが、心臓に病気が無くてもある場合がありますので、右脚ブロックの総てが病気というわけでもありません。ただ、先天性心疾患の心房中隔欠損症に特徴的にみられます。
  (次回につづく)


今月の話題
 
糖尿病について(3)
   
  先月に引き続いて、今回からは、糖尿病の治療についてお話しします。
まず、治療の目標ですが、日本糖尿病学会が作成した「血糖コントロール状態の指標と評価」というものがありますので下に示します。
   
  【血糖コントロール状態の指標と評価】

コントロールの評価 不可
HbA1c値(%) 5.8未満 5.8〜6.5 6.6〜7.9 8.0以上
空腹時の血糖(mg/dl) 100未満 100〜119 120〜139 140以上
食後2時間の血糖値(mg/dl) 120未満 120〜169 170〜199 200以上
   
 

評価は不可で表します。例えば、HbA1c値が5.8%未満、空腹時の血糖が100mg/dl未満、食後2時間の血糖値120mg/dl未満のすべてを満たしているとになりますし、HbA1c値が8.0%以上、空腹時の血糖140mg/dl以上、食後2時間の血糖値が200mg/dl以上のいずれかがあれば不可となります。治療はこの表の優および良のところを目標とします。特に女性の妊娠中(妊娠前から分娩までの間)では、妊娠中毒症や胎児の奇形の問題もありますので、空腹時血糖値100mg/dl未満、食後2時間血糖値120mg/dl未満の優を目標とします。日常の診療ではすべての検査を毎回するのは難しいので、HbA1c値を重視して行います(保険で認められているHbA1cの検査は月1回)。空腹時の血糖値は比較的安定しているので目安として有用ですが、食後2時間の血糖値は治療法や体調によって変動するために参考程度にします。糖尿病は以前に話ししましたように合併症が起こりやすいため、体重(前出のBMI値を参考)、血圧、コレステロール、中性脂肪などのコントロールも治療上重要ですので、糖ばかりでなくこれらも併せて検査します。具体的には、BMI=20〜24(BMI=体重(kg)÷(身長(m))2、25以上は肥満)、収縮期血圧130mmHg未満、拡張期血圧85mmHg未満、総コレステロール140〜200mg/dl、中性脂肪120mg/dl未満、HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)40mg/dl以上などを目標にします。

  (次回につづく)


お知らせ
 
●外来診察での衣服の着替えについて
外来診察の時、診察の前後に上半身の衣服を脱いで裸の方がみられます。
診察室内(引き戸の奥)で、衣服を脱いだり着たりするようにお願いいたします。
衣服や荷物を置けるように診察室内にかごが用意されています。
 
6月から整形外科栗先生の診察は木曜日となります。
午後の外来診察は、カテーテル検査のため3時頃からになることがあります。
午前中の心臓超音波検査は、曜日によって午前10時からとなります。
通院の難しい方々のために、医師、看護師が在宅診療を行っています。
健康診断を月曜日から木曜日の午後に行っています(予約制)。
 
 
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